最近問題になっている「カスタマーハラスメント」。
銀行に勤めていた時にも、カスタマーハラスメントをしてくる顧客のせいで、カスタマーセンターの人が辞めたり、無駄な時間を取られたりして大変困りました。
今日読んだ新聞記事によると
帝国データバンクの調査では、直近1年以内にカスハラを受けたことが「ある」とした企業の割合は15.7%。業界別では金融業界は30.1%で、小売業に次いで2番目に多かったそうです。
■本人確認とカスハラ
金融業界でクレームを言ってくるケースで多いのが、本人確認をすると「俺を犯罪者と思っているのか!」というケース。
それも、クレームを言ってくるのは大体、60歳以上の高齢者でした。
昔にくらべて本人確認が厳しくなっているので、昔はそんなことはなかった!という気持ちと、なんで自分のお金を下ろすのに本人確認しないといけないんだ!って気持ちが強いのでしょうね。
とはいえ、口座のお金は貴方のお金でなくて、銀行が管理していお金なんですよ。
そして、銀行は金融システムを犯罪利用されないようにすること、管理しているお金が犯罪に利用されないように管理することが求められています。
新聞記事では「顧客の財産に関わる業務が多いうえ、犯罪防止対策として本人確認を厳格化させていることも被害の背景にあるとみられる。」と書いていましたが、これは間違いですね。銀行が本人確認の厳格化を図っているのは、犯罪収益移転防止法などで口座開設時や一定の取引をする場合には本人確認を行うことが法的に義務付けられているからです。
このあたりは、厳しくなることはあっても緩くなることはありません。
「俺を犯罪者と思っているのか?」と言われても、銀行は性善説に成り立って取引は行っていません。
金融というシステムは犯罪利用されやすいという前提のもと、本人確認を厳格にすることで不正利用されないようにしているのです。
正直言えば「犯罪者でないなら本人確認されても困らないだろう!」という世界です。
むしろ、クレームを言う奴は後ろめたい何かがあるんだろう!ぐらいに思われています。
■本人確認に応じることを義務付けては?
本人確認をすることについて銀行は義務がある一方で、客側は本人確認に応じる義務はないんです。
ただ、マネロン対策として本人確認することはFATFなどでも求められていることで、いわば金融機関を利用するための条件のはず。
本人確認に応じない人は金融を利用することはできないと明確に規定して、本人確認に応じることを義務付けることも必要なのではって思います。
そうすれば、銀行側としても「法律で本人確認することが義務付けられています」と言いやすいし、「本人確認に応じなければ法律により取引を継続することはできません」とも言いやすいのではないでしょうか。
正直なところ、クレームを言ってくる奴は「口座を解約してやる」って必ずのように言うのですから、本人のご希望にも沿った対応ができると思います。
■銀行は行員を守って
とはいえ、銀行というよりも経営陣は行員を守ることについて熱心になって欲しいですね。
これについては金融庁が銀行に対して通知を出して、カスハラ対策をきちんとしないで、行員を守られない場合には指導すると宣言すれば1発で解決する問題。
金融庁もマネロン対策で銀行に色んなことを命令するのであれば、それが原因で行員がクレーマー被害に遭わないようにすることも熱心になってほしいです。
そして、カスハラに遭っても銀行がきちんと対応することを約束させるなどの対策をしてもらいたいな~って思います。
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