マネロンの意味とは?

 金融庁がイオン銀行にマネロン対策が不十分であるとして業務改善命令を出したとのニュースが出ていました。
ニュースをみていて思ったのは、記者さんたちは「マネロン」という言葉の意味を理解しているのだろうか?
ということで今回は、このテーマでブログを書いてみたいと思います。


■3つの対策

マスコミが「マネロン」といっているものについて、金融機関が求められている対策は次の3つです。

  • マネー・ローンダリング:犯罪による収益の洗浄
  • テロ資金供与:テロリストへの資金供与
  • 拡散金融:核兵器などの大量破壊兵器拡散に寄与する資金供与

マネロンというのは「マネー・ローンダリング」のみを指す用語であって、これらを含めて「マネロン」と言うのは相応しくないのです。
せめて、「マネロン」と言うべきなんですが、このあたり、記者さんがどこまで理解してマネロンと言う言葉を使っているのか気になります。

■何が違うの?

マネー・ローンダリングは「原資」に着目して、資金の出所を隠することが目的なのに対して、テロ資金供与や拡散金融は「資金のフロー」に着目して、テロや拡散金融に関わる人物や国に対して資金等が送られないことが目的です。そして、テロ資金供与・拡散金融は”世界の安全保障”にかかわるものです。

とはいえ、麻薬や宝石の密輸等で得た資金が、テロや核兵器開発資金として利用されることも多いので、これらが別々のものかといえば、一概には言えないところがあって、マネロン、テロ資金供与・拡散金融対策は別々に対応するのでなく、一体として対応が求められているところです。

■なぜ「マネロン」とまとめられるの?

なぜ、マスコミは「マネロン」と言うのか?その理由を考えてみたのですが、大きな理由は2つあると思います。それは
  • ”マネロン”のロゴがいい
  • 最初に求められたのが「マネロン対策」だったから
ハッキリって「マネロン」って4文字で末尾が”ン”ってわかりやすい単語なんですよね。この略語を考えた人って天才かと思います。
記事に「テロ資金供与対策」って書かれても、固くて読む気なくりますよね。

あとは、もともとマネロン対策が求められていて、そときに「マネロン」と言う言葉が普通の人にも一般的になったことも大きいのでは、テロ資金供与対策が求められるようになったのは、アメリカの同時多発テロ以降だし、

一般の方には馴染みが薄い分野ですが、金融機関に勤めている方には3つの違いは知っておいてもらいたいし、それ以上に、自分たちのやっている仕事が「世界平和を守っている」ということに誇りをもってもらいたいな~って思っているところです。

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