もう、貸金庫撤退の流れは決定でしょ。

三菱UFJ銀行で発生した、貸金庫からの窃盗事件。
銀行員の中には「パンドラの箱」を開けてしまったな!と思っている人も多いようです。


■現金が入っていることが明らかに!

貸金庫の中には格納してもいい物品のなかに現金は含まれていませんが、逆に、禁止する物品の中に現金が含まれていないのも事実。

多くの銀行員が「貸金庫のなかには現金が格納されているだろう」。そして、「その現金を格納しているのは脱税やマネロン目的のケースもあるだろう」ということは思っていました。
それなのに、マネロン対策が厳しく求められるなかで貸金庫事業が認められていたのは、貸金庫に何を入れているかは銀行員は知ることはできないし、格納できる物品の中に現金は含まれていないから”貸金庫に現金が格納されているはずはない”という性善説があったのでは?
とはいえ、それを金融庁が認めていたということは、貸金庫を廃止されると困る権力を持った人がいて、その人たちに対する政治的な配慮があった可能性って否定できないよな~って思っているところです。

ところが、今回の事件で「複数の顧客が多額の現金を格納している」ということが公的に認められてしまいましたからね。
もう、現金が格納されているはずはない!なんて言い訳出来なくなりましたよね。

■貸金庫は廃止される方向に行くのでは?

じつはメガバンクの中には、貸金庫を廃止する方向で準備していたところはあるようです。
実際、「うちは廃止方針だったのに、今回の事件を受けて三菱UFJで貸金庫を使っていた人たちが、うちに流れてきて困っているんだよ」なんて話も聞いたことがあります。

いま、金融業界はFATFの第5次審査に向けた準備がスタートしていて、そのなかで、貸金庫に着目されると結果に悪影響を与える可能性もあります。(FATFの人たちって、こういうニュースを見ているらしいんです)
そうなると、政府としては
「銀行は貸金庫利用者がマネロンのために利用していないことを確認しろ」
という指示を出さざるを得ないのですが、それをやられると困る人たちもいるでしょう。

もし、銀行が業務を続けるとすれば
銀行員の立ち合いの下で、貸金庫の中身の出し入れをする
しかないですが、今回の事件を考えると貸金庫室の入室や鍵の管理、カメラの設置などに多額の対策費をかける必要があるでしょうね。

正直、手間とコストがかかり、マネロンのリスクもあるとなれば貸金庫事業から撤退するのが今後の流れ。
むしろ、政府としては貸金庫業務からの撤退方針に持って行きたいのでは?

近い将来、昔は貸金庫と言うものがあったね・・・・というような話になるのかもしれないですね。

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